大国主

国造りの神

 出雲に大国を作った国造りの神である大国主。須佐之男の子孫で、因幡の白兎を助けた心優しき神様である。須佐之男が与えた数々の試練を見事に切り抜け、葦原中国の支配者になった。また各地に恋愛伝説も残しており、多くのご縁に恵まれたことから良縁祈願の神様としても信仰されている。


祀られている神社

  • 出雲大社(いづもおおやしろ)

 島根県出雲市大社町にあって、日本最古の神社の一つとされている。多くの神話や伝説を持っていて、ここで祀られている「大国主」は縁結びの神としても知られている。主に人と人との縁を司(つかさど)るとされていて、親子の情、友情、恋愛、さらにはあらゆるものの縁まで、全てを支配すると考えられている。 


誕生

 『日本書紀』の本文によると、大国主はスサノオの子とされている。しかし、『日本書紀』の一書、『新撰姓氏録(しんせんせいしろく)』、『古事記』では、スサノオの六世の孫とされている。天之冬衣神(あめのふゆきぬのかみ)の子で、八十神の兄とも言われている。『日本書紀』の別の一書では七世の孫とされている。


標題

 ある日、大国主の80人の兄弟である八十神は、因幡国(今の鳥取県)に八上姫という美しい女神が住んでいると聞いた。みんな彼女と結婚したいと思い、因幡国に向かうことにした。大国主も一緒に行くよう言われ、みんなの荷物を背負わされて、従者のように引き連れた。

 荷物を持たない八十神と、重い荷物を背負ってゆっくり歩く大国主の間には、遠い距離ができた。気多(今の鳥取市白兎海岸)に着いた時、毛を全部抜かれて赤くなっ兎が道端でうつぶせていた。八十神はいたずら心を起こし、兎に海水に浸かって、その後山の上で風に当たるよう言った。これで治ると嘘をついて、兎は信じてそうした。

 でも、山の上で寝ていた白兎が起きると、傷は良くならず、皮膚が割れていた。風が当たって痛くて泣き出した。そして、後から来た大国主がこれを見て、なぜ泣いているのか聞いた。兎は今までの出来事を話した。

 兎は元々淤岐という小さな島に住んでいた。本州に渡りたくて、ワニをだました。うさぎとワニはどちらが多いか数えたいと言って、ワニたちに淤岐から本州まで並んでもらい、その上を歩いて渡ろうとした。

 本州に近づいた時、兎は調子に乗って「お前たちはだまされたな。海を渡るためだけだった」と言ってしまった。怒ったワニたちは白兎の毛を全部抜いてしまった。その後、八十神にもいたずらされ、今の状態になった。

 事情を聞いた優しい大国主は、兎に治し方を教えた。まず川で体を洗い、川の近くで蒲の花粉を取り、地面に撒いて、その上で転がるよう言った。兎がその通りにすると、本当に傷が治った。 


標題

 八十神に追われた大穴牟遅神は、木の国の大屋毘古神(木の神)のところに逃げ込んだ。でもその後八十神がそこまで来たので、大屋毘古神は木の穴から逃げるよう言った。「スサノオがいる根之堅洲國に行きなさい。きっと助けてくれるよ」と教えてくれた。

 大穴牟遅神はスサノオの宮殿に着いた。須勢理毘売命が出迎えて、二人は一目惚れして結婚した。須勢理毘売命が大穴牟遅神を父親に会わせたけど、スサノオは気に入らなかくて葦原色許男神(醜男)と呼んだ。そこで蛇がいる部屋で寝るよう命じた。須勢理毘売命は3回振ると蛇を追い払える「蛇の比礼」(比礼:女性が、結ばずに首の左右から前に垂らすスカーフの様なもの)を渡したので、大穴牟遅神は無事に一晩過ごせた。

 次の日はムカデとハチがいる部屋で寝させられたけど、また「ムカデとハチの比礼」のおかげで大丈夫だった。3日目にスサノオは広い野原に矢を射て、大穴牟遅神に探しに行かせた。野原に入るとスサノオは火を放って野原を焼き囲んだ。大穴牟遅神が困っている時、あるネズミが来て穴に連れて行ってくれて助かった。火が消えたらネズミが矢を持ってきてくれた。でも矢羽根(やばね)は子ネズミに食べられていた。

 須勢理毘売命が泣きながら夫を探しに来て、スサノオも大穴牟遅神が死んだと思ったけど、彼は無事で矢を持って帰ってきた。その後、スサノオは大穴牟遅神に頭のシラミを取るよう言ったけど、実はムカデだった。須勢理毘売命が椋の実と赤土をくれたので、大穴牟遅神はそれを噛んで吐き出した。スサノオはムカデを噛んだと思って、かわいい奴だと思いながら眠りに落ちた。

大穴牟遅神はこの隙に逃げようと思い、スサノオの髪を柱に結び付けて、大きな石で部屋の入口を塞いで、スサノオの生大刀と生弓矢、須勢理毘売命の天詔琴を持ち、須勢理毘売命を背負って逃げ出そうとした時、天詔琴が木に当たって音がしてスサノオが目覚めたけど、髪が結ばれていて動けなかった。

 後でスサノオは追いかけてきて、黄泉比良坂から大穴牟遅神に叫んだ。「お前が持つ大刀と弓矢で従わない八十神を追い払え。そしてお前が大国主、また宇都志国玉神になって、須勢理毘売命を妻として立派な宮殿を建てて住め。この野郎め。」大国主はその通りにして、八十神を倒し、国づくりを始めた。


関連する神様

建御雷神

 天照大御神より出雲に遣わされた神で、応戦してきた建御名方神(タケミナカタ)を投げ飛ばした様から相撲の祖とも。またその名が、雷の意味することから雷が空を裂く一筋の太刀を意味合いに示し、剣の神という性格が加わり、経津主神(フツヌシ)と共に、武運長久、必勝祈願の神として、武道場によく祀られることが多い。

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